「エアサイクルの家」福井県下施工実績 No.1!
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お客様の声

Review

床面積19坪のコンパクト住宅

2012/9/5(水)

福井市・吉田さま宅/平成20年12月完成

 
みどり建設の営業部に属する吉田さんは、人気の商業地エリアからほど近い、幹線道路から少し入った住宅地にマイホームを建てました。大きなはき出し窓とシルバーのポールを配した外観は、大通りを走る車の窓からもよく見え、住宅や建築が好きな人がよく目を留めています。
 
吉田さん:もともと小さい家でいいかなという漠然とした想いはあったんです。それが「福井で狭小住宅っていうのもいいだろう」と決意できたのは、「9坪ハウス」との出会いがあったからでしょうね。「9坪ハウス」というのは、建築家の増沢洵という方が1952年に建てた最小限住宅からスタートした家のことで、6m×6mの正方形がベースになっています。実際に「9坪ハウス」に住んでいる人の本を読んで、その暮らしぶりに共感したのも大きかった。ストイックなんですけれど、自然体というか、あるがままって感じなのが魅力的なんですよ。現代の建築家とデザイナーでリメイクして商品化している会社もあるんですが、自社にいい設計士と施工スタッフがいるので、「9坪ハウス」をモデルにした吉田オリジナルの家をつくることにしました。

 
奥様:子供が小さいので子育てのためと思われがちですが、娘だからお嫁に行くかもしれないし、別の場所で独立するかもしれないでしょう。どちらかというと将来ふたりになったときの生活を重視して考えた家なんですよ。だから、部屋数や広さは求めずに、自分たちに必要な空間だけを心地よくつくろうと思ったんです。

 

風除室のある玄関ドアを開けると、目の前を斜めによぎる階段が飛び込みます。小さな土間だけのたたきを上がれば、直接ダイニングスペース。コンパクトなお宅らしい、無駄な空間をそぎ落とした造りです。
1階はダイニングとキッチン、バス、トイレ、洗面所、そして畳敷きのくつろぎコーナー兼寝室、2階は家族の共有コーナーで、大きなテーブルにパソコンスペース、ミシンがけなどの作業スペース、お子様の勉強スペースが仲良く並んでいます。ダイニング部分は約3坪もの吹き抜けになっており、2階にいてもお互いの気配を感じることができます。
 
奥様:私も小さな家には賛成だったので、コンパクトであることに抵抗はありませんでした。ただ、この大きさですから、引っ越す時にモノを捨てるのが大変でした(笑)。収納が少ないので荷物は必要最小限。お鍋で炊いた方がおいしいから炊飯ジャーを処分し、大事にしまっても仕方がないから使わない食器を処分し、洋服や雑貨の類もきれいさっぱり片付けました。ついでにソファやベッドも捨てました。絶対必要な気がして買うけれど意外になくても平気なものって多いんですね。もともとアパートだったからそんなにないだろうと思ったんですが、この家から見たらまだまだ荷物持ちだったようです(笑)

 

吉田さん:空気清浄機もあるんですが、壁に珪藻土を使っているので、臭いも気になりませんからね。そのうち処分すると思います。それと、うちはリビング用のテレビもないんです。子供のために畳スペースの押入れの中にテレビコーナーはつくってあるし、パソコンでテレビを見られるようにしているので、予想に反して全然困らないですね。
 
奥様:わたし個人のことで言えば、ドレッサーもないですね。その代わり、洗面所にパウダールームをつけて洗顔から化粧まで同じ場所で済ませられるようにしてもらいました。よく2階に寝室があって、そこにドレッサーがあることって多いでしょう?お風呂上りや朝の出掛けのあわただしい時は行き来が面倒じゃないですか。パウダールームは収納もたっぷりあるので化粧品やメイク道具一式は余裕を持って片付けられますし、朝もお風呂上りも一カ所ですべて済ませられるので便利ですよ。
 

吉田さん:洗面所とトイレは結構がんばりましたね。トイレはペーパーホルダーとトイレのふたにライトがついていて、ちょっと近未来的でカッコいいんですよ。居住空間はナチュラルなんですが、トイレはスタイリッシュ。洗面台も奥さんのパウダールームをつけたので、気持ちよく身支度を整えられるように、ホテルみたいな雰囲気のお洒落なものを選びました。高かったですけれど(笑)、小さい家で全体の工費が抑えられていたので、普通ならコストダウンの対象になるところを贅沢につくれましたね。
 
奥様:キッチンにディスポーザーをつけたり、遠赤外線のセラミックラジエントヒーターをつけたりできたのも、小さな家のおかげですね。ディスポーザーはいいですよ。この家では置き場所もないし、家の中に生ゴミをためておくわけにもいきませんから。それに、特に夏場って生ゴミの始末が嫌ですよね。排水溝のヌルヌルも。そういうわずらわしさから解放されて、本当に家事が快適です。ディスポーザーで乾燥分解された生ゴミは、サラサラの土みたいになるので、そのままデッキの周りにつくった菜園の堆肥にしています。
 
吉田さん:うちの野菜は成長が早いんですよ。実も大きいし。栄養がいいんですかね(笑)

 

外から見たときに目に留まる1階と2階の大きな窓は、家の中が丸見えになるのではと思われますが、窓の前は川が流れており、その向こうは量販店の駐車場と大通りなので、意外に視線は気にならないそう。家の中がバタバタしている時や横になりたい時などは障子戸を閉めて、人目を避けることができます。ある空間を兼用づかいすることで、限られた場を有効に使いこなせる室内。そして、障子戸や扉でTPOに合わせてオープンにすることも閉じることもできる可変性。小さいことは決して不便ではないと、吉田さんのお宅全体が物語っています。
 
奥様:デッキの前に遊歩道があって、散歩するご近所さんと目が合うことはしょっちゅう(笑)。最初はお互い緊張していましたけれど、最近ではもう慣れちゃいましたね。
 
吉田さん:今でもたまにカフェか雑貨屋なんじゃないかと思って、遊歩道までのぞきに来る人がいますね(笑)
 
 
 

奥様:冬は障子を閉めていても雪明りで部屋がほんのり明るいんですよ。夜は外から見ると、障子から灯りがぼんやりと浮かび上がって、家が大きな行灯みたいに見えるんです。そういう雰囲気のよさも暮らしていて楽しい部分のひとつかな。
 
吉田さん:「9坪ハウス」ができた1950〜60年代の生活様式も少し取り入れて、今の時代に合う便利さは持ちつつも、わびさびを感じられる家にしたいという想いは結構かなっていると思いますね。完成見学会の時は多くの来場者の方に恵まれましたし、川の向こうの量販店の駐車場からのぼりが見えたからと、わざわざ歩いて見に来てくれた人もいました。家づくりの仕事をしていて思うのは、やっぱり考えているうちに大きくなりがちだということ。その大きく広がりがちな空間をあえてもっと小さく、コンパクトにと考えていった僕の家が、思っていた以上に共感する人が多かったのは驚きでしたし、うれしいことでもありました。
 

 
みどり建設の社員だけに、もちろん自慢のエアサイクルは標準装備です。さらに、吉田さんは営業魂を発揮して、壁の一部分を外せるようにして、いつでもエアサイクルの構造を見てもらえるようにしつらえました。いつでも自分の家を見学してもらう準備はできています。
 
吉田さん:うちはお客様のご自宅を見学会場にして、人が実際に暮らしている家でエアサイクルの快適さを体感してもらうスタイルですからね。同時に構造も見てもらえたら納得しやすいのではと思いまして。うちは1階に床暖房を入れているので、冬は足元から身体が温まって本当に心地いいですよ。こんな大きな吹き抜けがあっても、家全体が温かいんです。夏場も窓を開ければ川べりの涼しい風が入るので、それで十分な日も多いですね。素材の面でも、僕が子供の頃アレルギーを持っていたので、自然のものにこだわりました。壁の珪藻土はまったく化学物質を使わない安全性と素材の配合バランスのよさで定評のある「エコクイーン」を用いています。床も1階はバーチ材、2階はカバ桜を使い、天然塗料で仕上げています。肌に触れる部分が自然素材だとやっぱり空気が違いますよ。エアサイクルで室内の温度が心地よく保たれるのと相乗効果が表れていますね。
 

「家ってそんなに大きくなくてもいいのでは」という想いからはじまった、床面積19坪というコンパクト住宅構想。小さくつくって贅沢をする最小限の生活空間は、これからの少人数暮らしの新しいヒントになりそうです。